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この小さな店は、なんと1976年開業。当時、西ベルリンはドイツの中でもワイン後進地区。ワインといったら赤、白、ロゼの甘口の3種類のみ、もっぱらビールしかなかったベルリンに辛口ワインを入れたのはこの店が始めてで話題になりました。
もともとは当時ベルリンの大学生だった現在のオーナー達に、ラインランド・プファルツという西ドイツの小さなワイン農家の多い地区に友だちが多く、旅行の際等にワインを沢山買い込み、ベルリンに帰ってきてから学生のパーティ等で持っていったのが始まり。クオリティの高いワインを安く、楽しめるように!というのが最初のアイディアで、学生相手の商売だったため、最初のワインは1本平均1、80マルク(150円くらい!)という安さだったとか。さすがにここまで安くないですが、安いのは今でも変わらず。 小さな農家と専属契約をして手に入れていると言う希少なワインをどうしてこんな値段で提供できるの?と聞いてみた所、『この店で働いている人達はだれもこのワインショップで生計を立てていないからね。』とのお答え。他に職のあるワイン好きの4名が集まって、ほとんど趣味でやっているこのお店、彼等は好きなワインだけを仕入れ、売っているのです。 他の職を持っている彼等の時間に合わせてあるため、開店時間はまちまちで短いですが、ワイン好きなら足を運んでみる価値あり!ワインに詳しい彼等はワインについて語り出すと止まらない。お勧めを聞くと、コレも、コレも、と次々に試飲のグラスがずらり、下戸の私は試飲だけで足元がおぼつかなくなってしまう事も(笑) ちなみに、ドイツワインの中でのお薦めはテオ・ミンゲスというプファルツ地方の農家のモノ。 この農家のどこが良いかと言うと、まず、様々な種類のワインを作っている事(リースリング、アウスレーゼ等)毎年毎年作る度に詳しくワインの味を試し、より良いワインを作ろうと頑張っているところで、毎年工夫を重ね、美味しいワインを出しているといいます。私もよく、ココの白ワインを買いますが、フルーティで飲みやすく、香り高いです。 |
![]() 開業当初の店。 学生だったので 開業時間は今より短かったとか。 |
![]() Goltz23のお勧め農家、 ミンゲスさん一家。 ぶどう畑の前にて |
![]() 味の説明カード。 合う料理なんかも書いてあります。 |
ミンゲスだけでなく、ここのワインは大手の卸し店や小売店を通さずに、彼等が足で集めたモノだけ。手書きの味の説明等がついていて、それを目安に選べます。
オーナーの味の好みで仕入れているから味の偏りがあるかというと、そうでもありません。オーナーの4名(+バイト)はそれぞれ違う好みの味があって、それぞれのお勧めを仕入れているから安定した味をそろえられるとか。そして、お互いにこのワインが美味しい、いや、これが・・と意見を戦わせている。飲めない私でも、話を聞いているだけで、ちょっと試してみようかな・・とつられてしまう店。 これから夏にむけてはほどよく甘みもある中辛のロゼのシャンパンがお勧め。飲む20分前に冷凍庫にいれてキンキンに冷やすとのど越しよく、ひときわ味がよくなる、というもの。暑い季節に、冷やして、外で飲むのが最高!とか。 ドイツワインはイマイチ、同じ値段ならスペインとかイタリアでしょ、と思っている人は一度ココで色々試飲する事をお勧めします!ドイツワインも最近は頑張っているんですよ!お店の人曰く『昔は確かにドイツワインはダメだったけれど、今は情報が各国から入り、ダメだと言われ続けていたドイツワイン農家は独自の努力を続けているの。だから、最近のドイツワインは美味しいわ』とのこと。 うーん、ビールじゃなくて、ワインも良いかも?と思う下戸の私なのでした。 |
----------------------------- guten Appetit! ------------------------------ |
Goltz23 : Goltzstr.23
地下鉄U2/1線 Nollendorfplatz 徒歩10分
**オープン時間が短いので注意です!これがなければもっとしょっちゅう行けるんですが・・。
月曜日〜木曜日 17〜19時
土曜日 10〜16時
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