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![]() ふっくりふくらんだ姿は美味しそう でも、中身は空気。 |
さて、アウグスト強王はザクセン王としてドレスデンに滞在しなければならなかったので、家来をマイセンにやって、磁器工房の様子を伝えさせていました。しかし、その家来がマイセンに行くと、常に美味しいマイセンワインの誘惑に負け、ぐでんぐでんになって帰ってくる。強王がせっかく色々なことを聞こうにもまったく役に立たないのに困った王様が考えたのが、このお菓子、フンメルなのです!
この、壊れやすい繊細に膨らんだお菓子をマイセンで受け取り、それを壊さないようにドレスデンに持って帰る→酔っぱらっていては成し遂げられない命令→お酒を控えて帰ってくる。というわけ。 このお菓子は、皮だけで、カレーについてくる揚げたインドパン(プクーッと膨らんでて、熱々で出てくる、ナンに似た、あれ)のような構造。薄ーく、パリパリ、こんがりしている部分に粉砂糖がたっぷりかかっています。ココまで聞くと、おっ、美味しそう?と思うのですが、これが、お、美味しく無い・・・。 パン生地部分が味がなく、こげた味しかしないし、厚みのある部分は生っぽい。まあ、食べるためのお菓子として開発されたわけではないとしても、それから300年以上経っているのだから、もうちょっと味に工夫とか、して欲しいなあ・・。名物というと、つい、色々な味を期待しちゃったりするのは日本人特有なのでしょうか。しかし、美味しく無さも残すのがドイツの伝統ってこと?“名物に旨いもの無し”とはいえ、久々に口にした、本当にみた目のみの食べ物、でした。 |
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Meissener Fummel : マイセンのお菓子、パン屋にて
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