![]() |
||
|
![]() |
ここの店主はこの4000種類の他にも月に2回は旅に出て、さらに新しい美食を発掘することに余念がありません。
彼の甘味についての博識ぶりは有名で、色々なところで講議もしていますが、それについては真夜中の美術館、
砂糖美術館の項でちょっとふれています。ちなみに左写真は砂糖美術館で講議をするMelanieの店主、Eberhard Paeller さん。歌手のようなハスキーボイスが素敵な上品な紳士です。 彼はもともとは旧東独ザクセンの生まれ。生まれつき骨の難病を抱えていた彼は、コックと菓子職人の勉強をした後、 お兄さんが働いていた劇場付の社員食堂に就職。 しかしその食堂が1956年に閉鎖したため、次の職として世界一周する船に乗る事になった彼は、その船と共に世界中を回り 、新しい港に着く度にジープで町中を回り色んな物を試食し、変わったスパイス等を買い込んでいたそうです。 そして11年間船旅を続けていましたが、67年にドクターストップがかかってもう船内での仕事を勤める事はできなくなりました。 船を降りた彼に浮かんだアイディアは、今までの船旅で出会った世界各国の美味珍味を並べたお店を開く事。 『どこにでも手に入る美味しいものではなく、ここでしか見つからない素晴らしく美味しい物を』提供するお店、それが最初のアイディアだったと言います。 |
![]() |
店の中には例えばドイツの小さな街の薬屋さんが自前に作っていた
、薬草を煮詰めて作った砂糖菓子を頼み込んで特別に卸してもらったものや、イタリアの酒工場でこれまた特注で作ってもらったルッコラのリキュール等々がずらりと並んでいます。
その中でもイチオシなのが店主手作りのトリュフ。 |
例えば胡椒はまず口に含むとわりとさっぱりとした押さえたお酒の味が広がりますが、
チョコレートが舌の上から消えかかった時、ピリリ、と胡椒がその存在を主張します。トマトはかじると鮮やかなオレンジ色のクリームがでてきます。
チョコレートなのに瑞々しい味なのが不思議ですが、その他はそれほどトマトっぽくはありません。
変わってにんにくはホワイトチョコレートの中から、じわじわじわとニンニク独特の匂いがします。
これはすりおろしたものを使っているためかなり匂いが濃厚で、人に会う用事がある時にはちょっとお勧めできませんが・・・。
私のお気に入りはディル。日本語だとなんというのでしょう、魚料理によく添えられるハーブです。
右写真をみて頂くとわかるようにディルはクリームの中にディルの煮詰めた物がプチュッと入っていまして、
ここのちょっと塩っぱい部分と周りのクリームの濃厚なお酒の味が良くマッチして美味しいんです! ちなみに100g7ユーロ。まずはPaeller さんに自分がどんな味を試したいか!ということを伝え、少量味見をさせてもらってから色々な味をミックスして買うのがお勧めです。 その他にも美しいパッケージの舶来菓子がいっぱい!何も用事がなくてもついつい通りかかる度入ってしまうお店なのでした。 *付足 久しぶりに行ってオススメして頂いたのがヴァニレキプフェル(Vanillekipferl)というクッキー。クリスマスになると相方のお母さんが送って来てくれるのですが、それがおいしい!レシピを頂いて焼いたこともありますが、甘さ控えめでアーモンドの粉が沢山入っているんです。しかし、ここの店のもベルリンで食べた中では一番美味しい!と思ったら、ウィーン(このクッキーウィーンが本場なのだとか)で金メダルを取ったお店のものなんですって。ほろほろ崩れる口当たりがもうやみつき。ちょっと甘めだけどコーヒーに合わせて。 (2008年、3月筆) |
![]() オレンジのがトマト、右回りに胡椒、 桔梗、まん中のがディル。 |
Confiserie Melanie: U2 Ernst-Reuter-Platz. -----Goethe Str. 4 ( Knesebeckstr Ecke )
画像、文章の無断転載を固く禁じます。
All Rights Reserved, Copyright(c) by Hideko Kawachi