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クネーゼベック・シュトラーセは、大学のすぐ側の通りなので、大学生の間はよく通った。
素敵な紙のお店があって、紙を使う作品を作る時や、自分の作品ファイルを作る時は毎日のように訪れていたので顔を覚えられてしまったが、
この店もカスタニアン・アレーに支店を出したので、最近はもっぱらこっちに行く。
近頃自分の行動半径がどうも狭まっている感じがするのは、徒歩、もしくは自転車で行ける圏内が多いからだろう。
学生の間は、ゼメスター・チケットという超便利な定期券を持っていた。これは1学期、つまり半年近く、ベルリン市内の電車、バス、市電に全て使える定期券で、大体百ユーロちょっとだった。
普通なら一日券5、6ユーロだからこれはものすごくお得。ベルリンでは新しいチケットシステムが導入され、以前なら、2時間使える券があって、ちょっと遠いトコでもこれで往復できたのだが、
最近は、2時間使えるが往復使っては駄目になり、昼も夜も出かける予定があるなら1日券が一番安い。
しかし安いといってもバカにならない値段だから、自然と行動半径が狭まってしまうのだ。 そんなわけで、大学卒業後はこの道を通る事はかなり稀になってしまったが、1日券を持っている時は、遠回りをしてちょっと通ってしまうこともある。 ハーデンベルク・シュトラーセの角にはマニファクトゥムという高級デザインプロダクトの店があるので、プレゼントとかを探している時は、ここをちょっと覗く。 高いので自分のモノはほとんど買った事が無いけれど、シンプルな陶器のコップを探してる時、コンスタンティン・グルチッチさんのお気に入り、というWalkuere の白いコップを教えてもらい、 ベルリンの小売店ではココでしか手に入らないそうなので、ココで買った。 そこからドライフルーツを沢山売っているお店を覗き、紙の店でレターセットやシンプルなノート、ファイル用の紙を探す。 しかし、なんと言ってもこの道を通る時に欠かさず寄るのが、Glasklarというガラスのお店。ルバーブジャムの項で ちらりと触れた、卸値に近い、格安でありとあらゆる透明なガラス製品が買える店。 デパートでガラス製品を買おうと思うと、なんだかデコレーションがついてたり、柄物だったり、どうも気に入るモノが無い! でも、この店ではフツーの、シンプルで食事の邪魔にならない食器がみつかる。高級品ではイェナグラス製品のバウハウスデザインのティーポットなんかもあるけれど、大体がレストラン等で使われているようなシンプルで安価なもの。 案外こういうのって、デパートとかでは見つからないのでこの店があるのはホント嬉しいのだ。 何をするでもなく、ぶらぶら、緑の並木と、佇まいの良いアルトバウが並ぶこの道を歩くのは楽しい。道沿いには小さなホテルが沢山あり、 昼時ともなればテラスは一杯。白髪のカップルが多いようだ。 パン屋の外に出されたテーブルでは、近くの工事現場で働いている人がオーバーオール姿のままおしゃべりに興じている。 かと思えば、この近所に住んでいるのだろうと思われるオシャレなスーツを着こなし、パリッと化粧したマダムがカツカツ駅まで歩いている。 こういう人はあまりミッテやプレンツラウアーベルクでは見かけない。やっぱり西側なのだ。 道の始まりにあるルネッサンス・テアターはステンドグラスが綺麗な古い劇場。夜になると公演のために来る人達が車で乗り付ける。 冬は毛皮のマダムをエスコートするスーツ姿の男性。うーんこれも西側。 西といってももちろん色々あるんだけれど、西っぽい、とまさに思えるのはこんな街角なのだ。 |
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