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オランニエン通りは、クロイツベルクでも、コッティ周辺をつっきる、ディープ・クロイツベルクにある通り。
橋口譲二さんの描きだすベルリンの主たる舞台となったところだ。
何せなが〜い通りなので、今回は、コットブッサー・トアー(コッティ)駅近くの一部だけを歩いてみる。 この通りは今もパンクやトルコ人の集まる通りで、雑多な感じが心地よい。 近くにクンストラーハウス・ベタニアンという、アーティスト・イン・レジデンスの施設があるので、展覧会のオープニングの後、夜遅くにこの辺を通る事も多いのだが、 暗くなった道の角にはマリファナ売り、駅の構内にはお酒に酔っぱらって喧嘩をしている人達が表れ、独特の雰囲気になってくる。 前、駅の階段で、上から明らかにアル中の酔っぱらったおじいちゃんが足を踏み外して転げ落ちて来た事があって、あのショックは忘れられない。 転げ落ちながら悪態をついていたので、瞬時の事とは言いながらも、彼を助ける方向に頭が働かなかった。 回りの人は皆、サッと避けたから、同じ事を思っていたのかも知れない。 話は変わるが、私は今ミッテに住んでいるが、場所としてはクロイツベルクが好き。 (そういえば、ラン・ローラ・ランで注目されたフランカ・ポテンテも現在ミッテから引越してクロイツベルク在住だとか) ミッテは、壁崩壊後に急発展したので、地価が高騰し、小さな個人商店は次々追いやられてしまい、代わりにチェーン店が我が物顔でのさばってきているからだ。 クロイツベルクは、例えば、有名クラブSO36や、アート協会NGBKのような西ベルリン時代のディープなカルチャーシーンもあり、 パンクの人からおじちゃんおばちゃん、若者もごちゃ混ぜに集まるカフェや個人商店もちょこちょこあって、バランスが良い。 人が住んでいる気配がする。トルコ人の経営する八百屋さんは、安くてフレッシュな果物や野菜がざくざく。 生のアーモンド、なんていう普通のスーパーではなかなかお目にかかれないような商品もあり。 トルコパン屋さんも、ものすごい種類を棚にズラリと並べている。フリスビーより大きな円形の平たいパン、フラーデンブロートはドイツ人も大好き。 私は面白そうだから見た事もないピンク色のお菓子を買ってみた。しかしひとくち食べて、思わず吐き出してしまった。 薔薇の香料をたっぷり入れたゼリー状のお菓子は、口まるでトイレ用の芳香剤を食べたかのような強烈な味(というか香り?)だったのだ。うぇぇー。 口直しには、友達の共同アトリエの角にある、OREGANOのウォク・ケバプ。 炒めた野菜をトルコピザでくるりと巻いたファーストフードは野菜たっぷりで普通のケバプよりヘルシーだし、美味しい。 店構えは適当だし店のお姉さん達はつっけんどんだが、隠れた名店なのである。オレガノでお腹を満たしたら、ビア・ヒンメルか、バトー・イーヴルでお茶するのが定番となっている。 ミッテやプレンツラウアーベルクでは感じられない、ざっくばらんで気取らない雰囲気で長居必須。 ビア・ヒンメルのオーナーは西ベルリンの時代からこの店をやっている、細腕に柔らかい笑顔だけれど、その後ろにしっかりした気骨を感じさせるかっこいい人だ。 ここのカフェのほうれん草キッシュは絶品ということも付け加えておこう。(たまにレンジでチンだけど)。 |
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